境内からはおだやかな瀬戸内海の景色を眺めることができます。
晴れた日には瀬戸大橋、岡山方面まで見わたせるんですよ。
大きな波が立つことは少ない、やさしい海です。
そんな瀬戸内海も、
今より海水面が低かった旧石器時代なんかは、
まだ陸つづきだったんですってね。
今は橋や船を利用してわたっている岡山や広島も、
大地でつながっていたんです。
もっとも、川はあったんでしょうけど。
今は海になって、
ときどきタンカーなんかがゆったりとわたっていきます。
ですけど、当時はきっと樹々が生い茂る林だったんじゃないでしょうか。
まあ詳しく調べたわけじゃないのですが、
いま見ている海の景色が、
ずっと昔は緑色だったんだろうと思うのです。
ひょっとすると人が住んでいて、
集落なんかがあったかもしれないですね。
ということは、交通路のようなものもあって、
人が行き来していたかもしれない。
いま、海の底になっている場所がかつての「陸地の低いところ」であって、
現在の平地は、当時からすると「丘」とか「高台」、
現在の山は、もっと大きな山に見えていたんでしょう。
大むかしから今にいたるまで、
瀬戸内海は交通の要所だったと言えるでしょうが、
陸続きだったころもきっと
人々にとって大事な「陸路」があったんじゃないか、
と勝手に思っています。
人々が暮らすところ、
そして行き交うところには、
信仰の場所もあったんじゃないかなとも思うので、
瀬戸内海の海底には、
当時の「土地の神さま」が眠っているのかもしれない、
などとも想像してみたりするのです。
なんにせよ、寒波に襲われて荒れたお天気の今日、
普段はおだやかな瀬戸内海も、少々ざわついております。
みなさんの今日が平穏無事でありますように。
石鎚神宮社務所より
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