2016 01 19

境内からはおだやかな瀬戸内海の景色を眺めることができます。

晴れた日には瀬戸大橋、岡山方面まで見わたせるんですよ。

大きな波が立つことは少ない、やさしい海です。

 

そんな瀬戸内海も、

今より海水面が低かった旧石器時代なんかは、

まだ陸つづきだったんですってね。

今は橋や船を利用してわたっている岡山や広島も、

大地でつながっていたんです。

もっとも、川はあったんでしょうけど。

 

今は海になって、

ときどきタンカーなんかがゆったりとわたっていきます。

ですけど、当時はきっと樹々が生い茂る林だったんじゃないでしょうか。

まあ詳しく調べたわけじゃないのですが、

いま見ている海の景色が、

ずっと昔は緑色だったんだろうと思うのです。

 

ひょっとすると人が住んでいて、

集落なんかがあったかもしれないですね。

ということは、交通路のようなものもあって、

人が行き来していたかもしれない。

 

いま、海の底になっている場所がかつての「陸地の低いところ」であって、

現在の平地は、当時からすると「丘」とか「高台」、

現在の山は、もっと大きな山に見えていたんでしょう。

 

大むかしから今にいたるまで、

瀬戸内海は交通の要所だったと言えるでしょうが、

陸続きだったころもきっと

人々にとって大事な「陸路」があったんじゃないか、

と勝手に思っています。

 

人々が暮らすところ、

そして行き交うところには、

信仰の場所もあったんじゃないかなとも思うので、

瀬戸内海の海底には、

当時の「土地の神さま」が眠っているのかもしれない、

などとも想像してみたりするのです。

 

なんにせよ、寒波に襲われて荒れたお天気の今日、

普段はおだやかな瀬戸内海も、少々ざわついております。

 

みなさんの今日が平穏無事でありますように。

 

石鎚神宮社務所より