2016 01 25

朝、本殿の裏手あたりをなにげなく歩いていると、

いっぴきのイタチと目が合ったんです。

空気は冷たいものの、青空から日差しが届く晴天でした。

イタチはシッポが長く、

ダックスフントなんかよりずっと胴長のように見えました。

たぶん、つい何日か前も同じ場所で見かけたイタチでしょう。

 

こっちのことを気にしていたのかどうかわかりませんけど、

何やら忙しそうに、あっちへ行ったり、

こっちへ引き返してきたり。

プロパンガスのボンベによじ登ったかと思えば、

塀のギリギリから土手の下をのぞき込んでみたり。

イタチはイタチなりに忙しそうにしていました。

 

イタチがうろうろしている場所の隣は、雑木林。

葉がすっかり落ちた樹々に、

数羽の野鳥が。

こちらも忙しそうに、

木の皮をつついては別の枝に飛びうつり、

虫でも探しているのでしょうか。

 

しんしんと冷える夜が明けて、

空からの日差しが降ってくる中で、

動物たちの活発な姿を見てちょっと朝からいい気分でした。

 

石鎚神宮は、たこぎ山を背負っています。

高尾木山、地元の人は親しみをこめて「たこぎさん」と。

標高は270mで、そう高い山ではないかもしれません。

 

ちょっと下れば民家がひしめいているし、

街も大きな道路もすぐ近くです。

けれど、この山の茂みやこずえ、

土の中や葉の下には、無数のいきものが住んでいる。

イノシシもタヌキも通るし、

キジもサルも出るし、

夜にはフクロウの鳴き声がします。

カラスの団体も帰っていくし。

 

どこかで、「にんげんは宇宙の謎にばっかり目を向けているけど、

深海にだってまだまだ謎は多い」

という言葉を聞いたおぼえがあります。

けど、宇宙より深海よりさらに手前の、

270mの裏山のことだって、

知らないことだらけなのかもしれません。

 

みなさんの今日が平穏無事でありますように。

 

石鎚神宮社務所より